茶師の語り

東京茶を生産・製造まで担当いただいている

茶師・鈴木さんのお茶作りに対する考えを特別に語ってもらいました。

 


 

茶業界へ入ったきっかけ

実は、10才の頃から18才まで目指していた夢があったのですが断念しまして、周りの人たちが進路を決めていくなか、とても不安でした。
その時見た求人票の中に現在勤めている会社がありました。勤務内容には、お茶の仕上げ加工と書いてありました。
何のことかわかりませんでしたが、物事を探求し極めることは大好きなのでこの業界に入ることを決意しました。

 

お茶の魅力

様々な病気に対する予防、肥満の防止、高血圧、発がん性物質の抑制など、
健康面にいいのはもちろんですが、やはり家族団欒の場、
何かやり遂げた時の一服など皆さんの心の癒しに貢献できるのがいいところだと思います。

 

茶製造へのこだわり

東京のお茶(東京狭山茶)は、気候的に寒暖の差が激しい産地なので、葉肉が厚く苦渋みが強いお茶です。
この短所を長所に変えるのが深蒸しという技術です。
長い時間蒸し適切な蒸気をあてることで苦渋みが、濃厚かつコクと甘味を持った味に変わります。
焙煎に関しては、葉肉が厚いという特性を利用して、ゆっくりと高温で焙煎します。
お茶を淹れた時の色を青く、持ち味を損なわず、なおかつコクのある香り高いお茶にする事にこだわり日々精進しております。

 

これからのお茶のありかた

急須でお茶を淹れる。昔からの伝統です。ここまで物が多様化してしまうと、あえて急須で淹れるのは、面倒かもしれません。
致し方ありません。その時代にあった、お茶の飲み方を提供するのが使命だと思っております。
ポーションタイプ、粉末茶、ティーバッグ、ペットボトル、フレーバーティー、食品の素材、なんでもいいんです。
常に皆さんの身近な存在である事こそお茶のありかただと思います。

 

- お茶が生活に届くまで -

仕上げ茶にする迄、大きく分けて3つの工程があります。

 

1.栽培

お茶の木を育てる。生産者によって畑の手入れが違います。
一年後のお茶の味を想定して大切に育てます。

  

2.製造

茶葉の摘採、お茶を揉む荒茶にする。お茶は摘まれた時点で酸化が始まります。
その日摘まれたお茶はその日のうちに製造しなければなりません。
蒸し時間、揉み時間、乾燥時間によって味、色、香りが変わります。

  

3.仕上げ

茎、粉を除き葉だけにする。火入れをする。
火入れはお茶の味を決定付ける最も重要な工程です。
1度の上下で旨くもマズくもなります。お店によって味は色々です。

 

一袋100gの状態にするまでに膨大な手間ひまがかかっております。

お茶はタダで飲めると思っている方が多いと思います。
その反面お茶屋に行くと量が少ないのに結構高い・・・
ただ、これだけの手間を考えますと高いのも、頷けるかと思います。

参考までに頭の片隅に置いて頂けると幸いですが、皆さんには普通に飲んで頂ければ良いです。
ただ「美味しいお茶だな」と思った時に作り手のこだわりと熱意を感じて頂ければ嬉しいです。


鈴木さん
【茶師・鈴木さん】
全国茶審査技術競技大会に21年間毎年参戦し、
2014年に全国1位にもなる実力者。茶師・鈴木さん
現在9段